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すいーつ

 甘い甘いスイーツを食べると、幸せな気分になる。
 なぜ、甘いものを食べるとそういう気分になるんだろ?
 
 彼とのデートも最初はそんなスイーツみたいだった。
 でも最近は・・・。

 流行のJ?POPが彼女からの着信を知らせる。
 でも、俺はでない。
 彼女であって「カノジョ」ではないからだ。
 それにしても、どうしてそうなったのだったっけ?
 俺はちょっと考えてみる。
 するとすぐに眠くなってきてしまった。
 俺は行動派だから、考えるのは苦手だ。

 日曜日なのに、することがない。最近、付き合いが悪かったせいで、メールの返事もない。YもKもSもみんなシカト。
 バイトも彼が止めろって言うから止めちゃったし・・・。
 しょうがないので、弟の部屋から借りてきた携帯ゲームで遊ぶ。
 やってみると、結構おもしろい。
 あ!
 死んじゃった。
 「カワイイ」とは、とても言えないキャラなのだけど、自分のだと思うと、残念に思えるから不思議だ。
「なにしてんだよ!」
 怒り声。弟がゲームを取り上げた。
「なにって、ちょっと借りてただけでしょ」
 弟は何か言いたそうだったけど、ぷいと横を向いて、私の部屋から出ていってしまった。
 なにもすることがなくなると、眠くなってきてしまった。

「おい、起きろ!」
 え、なに?
「なんでここにいんだよ?」
 むりやり起こされた私の目の前に、なぜか彼の姿があった。
「なんでここに?」
「なんでじゃねぇ。それはこっちが聞きたいよ」
 私の顔がクエスチョンだったのだろう。彼は少し怒りを静めて、
「ここ、俺の部屋。だから、勝手に入ってきたお前に質問してるわけ」
 え?
 一体全体どういうこと? 夢でも見てるのかなぁ。
「・・・なんとか言ったらどうなの?」
「自分の部屋で居眠りしていたの。そうしたら、Qに起こされて・・・」
 彼はそんなことは分かっている、その先が聞きたいんだ、という顔をした。
「本当に私が自分で入ってきたわけじゃないの」
「そんなこと信じられっかよ」
 気まずい雰囲気。
「そういえば、マイケル死んじゃったの」
「マイケル?」
「前に一緒に公園で見かけた犬」
 彼は思い出そうとするように、眉間に皺を寄せた。
 彼のこの表情、結構好き。
「あの豆柴みたいな雑種のノラ」
「ああ、あれか。けっこう、あれ好きだったよな、お前」
「だってQみたいなんだもの」
「マジかよ」
「そうだ。マイケルが死んじゃったんで、そのことを考えていたら、ここに・・・」
 彼が私の額を小突いた。
「バカいってんじゃねぇ」
「そうだよね、ごめん」
「・・・まぁ、その野良犬に免じて、今日は許してやるわ」
「ありがと」
 私たちは久しぶりに、ほほ笑みあった。
「今日、ご両親は?」
「え、いないけど・・・」
「する?」
「あほか」
 わたしは結局、お供えのお饅頭を一個いただいて、彼の家を後にした。
 彼のおばあちゃんに供えられていたお饅頭は、とっても甘かった。
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ぱんぷきんすーぷ

 わたしの得意料理はパンプキン・スープだ。
 最初に作ったのは、まだ小学生のころで、最初は今思えば、ひどいできだったと思うけど、おにいちゃんは「美味しい」といってくれた。
 作り方は、皮をむいた「かぼちゃ」を湯がいて、それを裏ごししたのに、生クリームとブイヨンスープを混ぜて、少し火にかけるだけだ。
 生クリームは、火を止めてからのほうが、美味しいと気づいたのは、最近だ。



「ご飯とか作れるの?」
「うーん、ちょっとだけ」
 最近付き合い出したカレは、けっこう年上で、わたしに何を求めているかは、一目料善。
 奥さんを亡くして、長いそうで(でも、本当にそうなのかは、怪しいと思っている)、外食ばかり。それで家庭料理にうえている。
「今度、作ってくれるかな?」
「えー、きっと美味しくないよ」
「いや、エリーの作る料理なら、どんなものだって美味しいさ」
 そんなこんなで、久しぶりに、あれを作ることとなった。


「大きな、荷物だね」
「うん、ちょっと、ね」
 メインがスープじゃあれなので、デパ地下で、高級惣菜を用意しておいた。
 カレには料理用の道具が入っているといったけど、その中にはタッパーウエアに入った惣菜たちが待機している。
「あ、かぼちゃと生クリーム、買ってくるの忘れちゃった」
 わたしがそう言うと、じゃあ、買ってくるよ、と言ってカレは部屋を出ていった。
 近所にはコンビニがあったけど、そこには「かぼちゃ」がないことは確認済みだ。


「お待たせ」
 カレの手にしていたのは、大手チェーン系のスーパーマーケットの袋だった。
「ありがとう」
「ああ、いい匂い。美味しそうだね」
 カレがキッチンを通り抜けて、奥のリビングに入る前に、かぼちゃをさっと洗って、包丁でバラす。
 大きな音がして、カレが振りむく。
 わたしはカレにほほ笑む。
 カレは、なんだ、かぼちゃを切る音なんだ、と納得して、笑顔を返す。
 カレが奥に消えると、わたしは真剣に料理を始める。いや、最初から真剣に料理をしてはいたのだけれども・・・。


「お待たせ」
「どれも美味しそうだね」
 食卓の上に並んだ料理は、とても美味しそうだった。
「いただきます」
「どうぞ、召し上がれ」


「いやぁ、とっても美味しかったよ」
「そう」
 見ると、スープ以外は全部きれいになくなっている。
「あの、いつも外食なんだよね」
「うん」
「でも、けっこう高いんじゃないの、このお皿」
「ああ、ちょっとしたものだよ」
 わたしは、まさかと思う。でも・・・。


「もう、そろそろ、終電が近いんじゃないかな」
「あ、そうね」
 泊めてくれないみたいだ。
「送っていくよ」
「・・・でも、遅いし」
「いや、最近は物騒だしね」
 わたしは思い切って聞いてみる。
「あの、お皿、どこで買ったの?」
「え?」
 わたしは確信した。
「いえ、いいの」

 わたしたちは駅に向かう道を並んで歩いていく。
 早く電車に乗りたい。
 わたしはそう思いながら、カレとむなしい会話を続けていた。
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